「直面しない」面会交流
〇直面しない面会交流
一番難しい面会交流が、面と向かっての面会交流が難しいケースです。高葛藤事案の場合、こどもが思春期や反抗期の場合、別居親とこどもとの交流が久しぶりになっている場合、真正面から向かい合う面会交流ではなく多角的に情緒を取り戻すことが大切です。
〇男女交際の導入期と同じー映画鑑賞
映画鑑賞はあまり能動的な交流は期待できませんが、映画の感想など共通の話題やジュースを飲みながら話したりすることができ、導入期には向いているといえます。また、真向かいにすわるとこどもが緊張してしまいますが、映画館だと席は横でこどもたちはそんなに緊張しません。映画館にはこどもが喜びそうなものもたくさんありますし、値段もそれほど高くありません。また、ある程度になると、親に断りなく友人と映画を見に行く子もいるので、同居親をさほど刺激しません。
〇友人を交えての面会交流
ちょっときまずい場合、こどもの友人を交えるということもあります。フランスなどでは面会交流を兼ねたバカンスにこどもの友人が同行するというのは普通のことです。一緒に遊戯施設にいくだけでも、こどもたちの会話がありますし、複数になると、面会交流親も話題が広がります。こどもは小学校高学年になると、何かメリットがないか、あるいは用事がないとついてこようとはしません。そこで、友人の〇〇くんもつれおいでよとか、親友と遊んでいた方が楽しいというこどもの気持ちを察してあげることも大事です。そうすると、こどもは面会交流について喜んでくれます。また、こども同士の関係をみる機会は非監護親にはそうそうありません。なので、友人との会話の内容やどちらがリーダー的なのか、その成長を知ることもできます。
(愛知県弁護士会 弁護士 服部弁護士)