面会交流をして良かったと思う理由
服部弁護士:エフピックがまとめている面会交流の感想についてですが、以下のようなものとなりました。「母を理解する機会を得られた」「父のいい面も見えてきた」「勉強なども教えてもらえる」「父はかっての暴君ではなかった」「友人と父の話を避けなくてもいい」「自分を愛してくれるのを肌で感じられた」「私の心の土台ができた」「好きなおばあちゃんにも会える」などがあります。
藤崎十斗:エフピックの聴取と調査官調査の聴取ではどうしてこうも中身が異なるのかなと思いますね。問題点は、実施前と実施後の感想ということで、調査官調査はこどもに不安をあおりながらやるけれども、現実の面会交流は「なんだ、こんな感じなんだ」という安心感のイメージが強く出るからこのような感想になるのだと思います。やはり親を理解できたりいい面をみることができるのは面会交流のだいご味ですね。父母間でのアムールが終わったとしても、こどもは双方に対するアムールを持ち続けるので、監護親は自分の価値判断を押し付けてきたことの反省が必要ですね。そして、父母では教えられることに性差がある。例えば理系は圧倒的に男子親の方が得意だと思うんです。それから父の話題や家族の話題を避けなくてもいいのも気が軽くなりますね。心の喪失感が溶けていくという感じですね。
印象的なのは、こどもの気持ちは変わるので、面会交流を妨げた母親に対する不満を述べていることです。具体的には、「母に父親と会う機会を作ってほしかった」「せめて年1回の誕生日には祝ってほしかった」という声なき声には心を打たれるものがありました。
服部弁護士:やっぱり葛藤の程度によって様々だよね。事情が違えば、こどもの気持ちもさまざまですね。