「量より質」の面会交流
アメリカでは、別居親との交流がこどもの成長にどのような影響を及ぼすか、数多くの研究がなされています。その研究結果もさまざまであり、別居親との交流時間が長い方が良いとされるものから、交流時間の長短とこどもの健全な成長には関連性がみられないとするものまで様々なものがあると考えられます。
しかし、大切なことは、交流の回数や時間ではなく交流の内容です。
これまでは月に1回、1回5時間などというように、時間という量的な問題が中心でした。しかし、ある事件で、娘が父親になついている事件では、バーベキューやレクレーションなどを通じて科学的な好奇心を湧き立てているといったような質的に良好な事案がありました。このように、頻度は前提問題ですが、すすんで、面会交流ではどのようなことがしたいのか、どのような時間を過ごしたいのか、どのような親子関係を築いていきたいのか、面会交流の中身に言及することが求められています。
今後、家庭裁判所や弁護士などの退陣援助業でのテーマになるのではないかと考えられます。
(愛知県弁護士会、服部弁護士)